FEATURED

Field Note:スマトラ、この場所は誰のもの? #SOSsumatra

ラッシュのヘッドバイヤー、サイモン・コンスタンティンがインドネシアのスマトラ半島に訪れた時の記録と残された疑問。あなただったら、なんと答えますか?

私、サイモン・コンスタンティンが、現地で出会ったのは絶滅の危機にある先住民族、クブ族の人々。何世代も前から手付かずの森に暮らしてきましたが、パーム油を目的としたアブラヤシプランテーション開発のため、原生林の破壊を推し進める企業によって、生活も命さえも危険に晒されている状況を目の当たりしました。

この場所は誰のもの?

 午前9時、言い争いはすでに始まっていました。私がスマトラ島にあるブキット・スバン村に到着する少し前から、クブ族の人々とインドネシアの大財閥系企業、アストラ・インターナショナルの関連会社であるパーム油会社の従業員ともめていたのです。

 話を聞けば、女性たちはプランテーションの地面に落ちた腐ったアブラヤシの実を集めていたということが争いの火種。落ちてしまったアブラヤシの果実にも価値はあり、村の仲介人を通して売れば、生活するのに十分なお金を稼ぐことができるのですが、この落ちた果実は法的にはアストラのものだというのです。

 私はこの時、クブ族の女性と直接話すという、西洋人にとって滅多にない機会を得ました。なぜ滅多にないかというと、他の部族もそうですが、彼女たちのような女性は、西洋人との接触から守られている場合が多いのです。

 この時のクブ族にはそんなタブーを気にする心の余裕がないくらいに、追いこまれているように思いました。だからこそ、私も彼女の一言一言を注意深く耳を傾けたのです。彼女は現地の警備隊の真似をしながら、日々受けている侮辱的な攻撃を説明してくれました。

 通訳を交えた彼女との会話で、「落ちたアブラヤシの実を集める」という生活をつなぐための行動が、いかにクブ族を部族の存続の危機にまで追い込んでいるかを理解しました。彼女によると、警備隊たちは「長い拳銃」を持ち、その銃口を彼女の方に向けて狙ってくるのだそうです。話をしながら思い出して取り乱してしまうほど、悲惨な日々過ごしているようでした。

 クブ族の人たちは、ひどく怒っていました。

 スマトラ島に現存する最後の森の住人、クブ族。彼らは「自分たちは森の一部であり、森は帰るべき場所だ」と考えています。森の中を定期的に移動しながら生計を立て、つつましく生活している彼らは、私のような西洋人が憧れるほどの文化や自然との繋がりを持っています。

 12,000ヘクタールもあった彼らの居場所であるかけがえのない森は日々減少しているます。私たちが車で見て回ると一目瞭然でした。原生林の代わりに荒れ果てた裸の山腹が姿を見せ、作物を植えた後そのままに放置されている。もしくは、数十年前は豊かな森であった場所が、今ではアブラヤシの木が整然と並ぶだけの土地に変貌している、これがこの場所の現実です。

 近くの工場から立ち上る黒い煙が、2012年のアニメーション映画「ロラックスおじさんの秘密の種」のシーンを彷彿させます。アストラ・インターナショナルやシナール・マスなど大財閥系企業グループや政府機関から許可を得たパーム油会社が、森林を切り倒し、森をアブラヤシのパームプランテーションに変えています。ここにある問題点は「誰もクブ族の許可を得ていない」ということです。結果、彼らが何世代も前から住んでいる居場所であり、家である森が強制的に取り上げられているのです。

 最近になって、企業が譲歩する形でクブ族が森に暮らすことが許可されましたが、彼らが生計を立てていく上で必要なものはごくわずかしか残らず、野生の豚を狩り、木から落ちたアブラヤシの実を広い、昔のことを思い出して嘆くことくらいしかすることがなくなってしまったといいます。

 これは彼らにとって非常に厳しい状況で、私は沸々と湧き上がる虚無感から「私たちができることはないのだろうか」と質問を投げかけますが、誰もこれに答えてくれる人はいません。

この森は誰のものなのでしょう。

<関連記事>
オランウータンを救うソープとシャンプーバー #SOSsumatra

パーム油認証の環境面での課題 | Soapbox

#SOSsumatra

コメント (0)
0 件のコメント
この商品を見た人は、こちらの商品も見ています。(1)

関連商品

1 項目
販売終了
steve the orangutan sos
ソープ
オランウータンを彼らの森に帰そう
¥1,360 (税込)
 / 
130g