FEATURED

カカオで命を繋ぐコミュニティの絆から、私たちが学ぶべきこと

2018年、国連の人権擁護者に関する宣言から20年という節目を迎えた。活動家たちは、あるグローバルなコミュニティをノーベル平和賞の候補に推薦し始めている。それはコロンビアのピース・コミュニティ サン・ホセ・デ・アパルタードのリーダーたちだ。

 作家でThe Ecologist編集者のエリザベス・ウェインライトは、ピース・コミュニティ サン・ホセ・デ・アパルタード(以下、ピース・コミュニティ)の3人のリーダーたちに話を聞くことにした。彼らは暴力のさなか、平和的で先駆的かつ自立的なコミュニティを作るチームをリードしてきた人物たちだ。彼らが自身の手で勝ち取った学びとは?この答えを共有することは、私たちにとっても学びになるのではないだろうか。

 1997年、ピース・コミュニティは、政府、左派ゲリラグループ、そして右派の凖軍事的組織の紛争の影響を受けるコロンビア北西部の地域で結成された。現在も紛争は続いており、立ち退き通告に抵抗しながら、彼らはカカオ豆を栽培・収穫しつつ平和な生活を続けている。脅迫され、嫌疑をかけられ、命を危険に晒されながら、中立であり続けている。

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 ピース・コミュニティのリーダーは3人だ。彼らは、ゲルマン・グラーシアノ・ポソ(以下、ゲルマン)、モレーリス・アルテアガ・ゲラ(以下、モレーリス)、ホセ・ロビーロ・ロペス・リベラ(以下、ホセ)という。皆で暴力に抵抗したり自足の道を進むことの重要性は、彼らのコミュニティへの自信と愛にあふれた話し方を見れば一目瞭然だ。理想論ではなく現実的なものとして感じられるような、理論よりも実践で試されてきた類の愛である。
 今回、そんな彼らのコミュニティから生まれた学びを紹介していく。こうして共有されることで、ピース・コミュニティからのメッセージが世界のより遠くまで届いていってほしい。また、あなた自身がコミュニティを導く際の指針になればと願っている。

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1.独りよがりに固執せず、分かち合う

 ピース・コミュニティでカカオを栽培する女性の一人であるモレーリスは、アイデアを周囲の人と共有すること自体の大切さを教えてくれた。その理由は「たった一人では、誰だって何も所有していないから」だ。全員が恩恵を受け、全員がコミュニティの作業結果を分かち合うことが大切だと彼女はいう。

「コミュニティは非常に強く結びついています。私たち全員が恩恵に預かりますし、お互いにそうして欲しいと思っています。個人としてはできないことをしているのですから」

 

2.コミュニティでひとりひとりを可視化する

「私たちは人里離れたところにあるコミュニティですから」

 ゲルマンはコミュニティの一員であることが、どのように各メンバーを可視化させるのかについて説明する。

「団結し、コミュニティとしてのつながりを強く持たなければ、レイプといった暴力的な攻撃の危険に遭いやすくなり、被害を受けても発見されにくくなってしまいます。脅威と共存せざるを得ない状況であるため、私たちのコミュニティはさらに強固にならなければいけません。というのも、お互いを見守るようになるからです。各個人が可視化されるようになるのです」

 

3.コミュニケーションによって問題は解決する

 続けて、ゲルマンにコミュニティの調和を脅かすものについて聞いてみた。

「コミュニティ内でよくある問題といえばゴシップなど些細なことですが、大きな問題はコミュニティの外にあります」

 そう彼は教えてくれた。内部に協議会を複数置き、問題が起きれば該当する協議会に人々が行くようになっているのだという。
「協議会では日々みんなで集まって議論をします。問題解決のためにコミュニケーションを取るのです」

 

4.行動の前に傾聴しなければならない

 ゲルマンは、協議会がどれほど人々と関わり、さらにそれがどうして重要なのかについても話した。協議会は人々の側にいるからこそ、彼ら自身を理解し、手助けできるというのだ。
「彼ら自身もまたコミュニティのメンバーです。議論を始める前に、聴き、見て、理解します」

 

5.明確なハウスルールが進歩を可能にする

 ピース・コミュニティは、メンバーがしっかり守るべきルールを決めた。ルールを尊重しないメンバーはコミュニティから追放される。このルールには、無許可での収穫を禁止するほか、違法薬物摂取の禁止、直接的・間接的に関わらず戦争への参加の禁止が含まれる。リーダーの一人でもあるホセはこのように説明する。
「人々はコミュニティのみんながルールを知っていて、なぜそのルールがあるのかも理解しています。これによって物事の運営がスムーズになっています」

 

6.重要なのは信頼

 モレーリスいわく、コミュニティのメンバーは自分自身、そしてお互いを信頼しており、それが攻撃に抵抗するための要となっている。例えば2017年12月、ゲルマンが殺害未遂にあった際、コミュニティのメンバーは即座に敵を取り囲んで武装解除させ、2名を捕らえた。
「すぐに行動できたのはお互いを知っており、ひとつのチームとして動けたからです」と彼女は言う。

 

7.やる気がインパクトを与える

「みんな自分たちの作った商品で成功を掴もう、というやる気を持っています」

 モレーリスはこのように続けます。

「一生懸命働かねばと自分に言い聞かせる必要はありません。すでに、今そうしているからです。私たちのカカオがラッシュの販売する商品になるのを見るのは良いことです。このやる気が形ある商品につながっている様子を目の当たりにできるからです。コミュニティに戻ったら、その話をみんなにできます。私たちのカカオについて聞いたら、彼らは感激するでしょう。」

 

8.自分たちを取り巻く現状に対する気づきが重要

 子どもたちは幼い頃からコミュニティの重要性や土地との関係について教えられるが、そこには暴力についても含まれている。「それが現実ですから」とモレーリスは言う。

「暴力がそこらじゅうにあることを理解して彼らは育ちます。私たちが毎日直面しているということも。ですが同時に彼らは祖先と、この土地の記憶についても学ぶのです。」
コミュニティは独自のカリキュラムを組んでいる。それには「記憶と土地」という科目も含まれており、コミュニティの運営するファーマーズユニバーシティ内で学びが発展している。

「人々は土地を愛し尊重しながら育ちます。私たちが生きる現実は困難を伴いますが、良きこともたくさんあるのです。」

 

9.ネットワークとサポートが肝心

 ピース・コミュニティが受ける国際的な支援は、そのメッセージ発信と持続性の成功に欠かせないという。これについて、ホセはこのように語った。

「世界の人々が耳を傾け、動いてくれると知ることが私たちを後押ししてくれます。私たちの経験を世界と共有していこうと思わせてくれるのです。」

 

10.私たちはコミュニティの中のひとりである

 誰もがコミュニティ内で、栽培・取引・生産・教育といった分野で役割を持っている、とモレーリスは言う。くわえて、役割分担制を活かすため、子どもたちには「個人としてよりコミュニティの中で活躍するには、個として自立することが大切」と教えているとゲルマンは補足した。
「私たちはみんな個人ですが、孤立してはいません。あくまでコミュニティの中で生きています」

 

11.リソースの少なさは、障壁ではない

 ピース・コミュニティの資源は主に、彼らが手がけたカカオをラッシュが購入することによって維持されているとゲルマンは言う。これらの資金は、教育や保健医療分野で使われている。つまり、コミュニティ全体がその恩恵を受けるのだ。
「私たちは今、自立した生活に必要なだけの収益を得ています。1997年に必要に駆られて始めた、何もなかった私たちのように、誰もが今いる場所から何かを始めればいいだけなのです」

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 ピース・コミュニティによる、インスピレーショナルで力強い事例をご紹介しました。コミュニティを形成し、維持するにあたって、あなた自身の経験や感想があれば、コメントで教えてください。

 エリザベス・ワインライトは作家、コミュニティ形成の専門家、The Ecologist編集者、Arukah Networkの共同代表者です。ツイッターアカウントは@LizWainwright

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