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「ゴミを拾う」から「ゴミをなくす」へ 

CATs(キャッツ)は2014年に一人の若者が原宿のキャットストリートで始めた、ゴミを拾う地域活動のこと。最先端のファッションとカルチャーの発信地、キャットストリートで若者が朝からゴミを拾っている理由って?そして、この活動の代表・Genki Nakamuraさんが新たに始めた「#530week」プロジェクトとは? 

 

   行き来する人はたくさんいるのに、その地域や人同士の繋がりが少ない"ストリート"で、この活動を始めたGenkiさんが目指したのは、大好きなキャットストリートと訪れる人々同士とを繋げること。なぜゴミ拾いかという問いに彼はこう答える。「早起きして時間を使って、対価もないのに街をキレイにするというのは、その地域への愛がないと出来ないと思う」。簡単であり、あれこれ語り合いながら街と向き合えるゴミ拾いは、彼が目指す繋がりを築くための絶好の手段でもあった。

   CATsのゴミ拾いは、一般的な町内清掃とはひと味違う。始める前に必ず、"ただ拾うのではなくゴミのその先を考える時間である" ということを参加者同士で共有する時間を設けているそう。「誰かが捨てたゴミが飛んで行って、川から海に流れて、魚が食べて、人間に帰ってくるのかもしれない。一時間半くらいの時間の中で、そこまでの可能性を目の前の小さなゴミから想像できるかが大事」。想像力を働かせるゴミ拾いを続けるのは、そのゴミと向き合って拾った人は、二度とゴミを捨てるということはないと信じているから。

   いつも彼は街を歩きながら、人が目を向けない部分を注意深く見ているという。イルミネーションで飾られた木の根元や、大きな立て看板の下...「"誰かがそこに放置したもの"には、色んなメッセージがある。ゴミが植木に隠れてるのを見ると、悪いと思ってやってることがわかるよね。どこか後ろめたく見られたくないんだなって。その気持ちをどうポジティブに変えられるかということを考たいと思う」

    そんなことを考えながら、CATsの活動も5年目を迎え、気がついたことがあるという。「こんなに続けていても、ポイ捨てをやめさせるわけではないから、根本解決ではないんだよね」

    彼はこう続ける。「どうしたら根本的に解決できるか、想像しながら拾っていたら、『ゴミってそもそも出さなければ、拾わなくて済むよね』と思って。それはまさに”ゼロウェイスト”の考え方だった」

     "ゼロウェイスト"というのは、パッケージのない商品を積極的に使ったり、使い捨ての商品を避けたりすることでゴミを出さない生活をおくること。みんながゼロウェイストを心がければ、街にゴミが溢れることもないし、企業もパッケージのない商品開発を加速させるかもしれない。ゴミ拾いを通して繋がることもいいけれど、社会も自分も心地よくなる生活を考える方が、わくわくして楽しいはず。

    その思いをアクションに移すべく、2018年5月30日ゴミゼロの日に合わせて立ち上げたのが「#530week (ゴミゼロウィーク)」プロジェクト。ゼロウェイストな生活を送るヒトやアイディアを共有し、それぞれが生活の中でアクションを起こすことを期待している。「まずは「『Act different、これまでと違うことをしてみる』をやってもらえたら。例えば、毎朝買っているコーヒーをタンブラーに入れてもらうようにする。自分の生活をちょっと疑って行動することで、簡単なことから生活の中で変化を起こしていく」

   世間では、海洋プラスチックの問題や中国のリサイクルゴミ輸入禁止措置問題など、プラスチックの問題が議論となっている。一見、環境問題や政治問題のようであるが、元を正せば私たちの暮らしに密接に関係しているものばかり。一人ひとりが想像力を使い、生活を変えてゴミ問題を解決する、心地よく優しいアクションが、今動き出そうとしている。

 

 

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