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7つの質問 - 平 学

福島から世界へ。震災で経験した「悔しさ」を原動力に、スタイルスポーツで福島の未来を切り開く、一般社団法人F-WORLD CHANNEL SQUARE 代表理事の平 学(タイラ マナブ)さんに7つの質問。

Q1.「CHANNEL SQUARE」を始めたきっかけは?

 掘り起こしちゃうと、もともとは自分は、いわゆる″横ノリ”という、スノー、サーフ、スケートボードのショップとして25年以上仕事をさせてもらっていた。常に楽しいカルチャーがあって、当たり前のように自然のフィールドを使っていたけど、あの震災と原発事故のあと、それまでのようにスムーズに気持ちよくできなくなってしまった。思うようにできない悔しさ、さらに国によって屋外行動制限をされた悔しさを感じたんだ。そこで、自然発祥から生まれたスポーツをインドアでできる場所、施設を作りたいという気持ちに火が付いたわけ。そこには、自分たちが培ってきた経験、自分たちの見てきたものと、日本全国・世界のカルチャースポーツ・フィールドスポーツでの表現をうまくやっている地域に見習えることをかけあわせて行けば、いずれは、絶対にこういう施設の人気が出るはずだ、という思いがあったんだ。それに震災が重なって、それが2011年の取り組みのスタートのきっかけ。

 

Q2. 震災によって確固たる使命感が生まれたんですね?

そうだね。“やりたい気持ち”はもともとあって、自分の持ってるコンテンツやエネルギーを外に出すときだ、という気持ちにったんだよね。インドアパークの必要性を訴え始めたころを思い返すと、すでに4年は経っていたと思うよ。乳よう児向けはあるけれど小学校・中学校・高校生が思いっきり体を動かして遊べる場所ってないから。絶対需要はあると思ったし、震災後のタイミングが行動に移す時だと思ったんです。

 

Q3. CHANNEL SQUAREの運営以外にも、イベント企画やショップの経営など、幅広く活動している平さんですが、普段どんなところからインスピレーションを得ていますか?

    それはやっぱりアメリカだな。そもそもボード競技の中でも演技やスタイルのユニークさを競うスタイルスポーツは、アメリカが発祥で発展したスポーツだし。実は「CHANNEL SUQUARE」名前の由来も実はアメリカから来ているんだ。「Channel Street (チャンネルストリート)」っていうのが、カリフォルニアにあって、そこはエネルギーをうまく発散できずに、ドラッグに染まったり非行に走ったりしていた子どもたちに、スケートボードで発散さできる場所を作ろうという事で、地域の大人たちが考えて力を合わせて作ったパークがあって。その場所のストーリーと、自分の状況や培ってきたものを重ねて、名前をもらったんだ。それに「Channel」という言葉には、誰もが自己表現がきる“Channel”を選んでトライできる場所にする、という思いも込めたんだ。スケートもあれば、スラックラインもあるみたいなようにね。そうすれば、何か新しいコミュニティが生まれると思ったんだよね。

 

Q4. 常に、大切にしているものは?

大切にしていること、と言われればそれは地元の立役者の環境つくりかな。もちろん子どもは大事だけど、大人が動かなければ子どもはいい環境に生まれないし、モノや施設、店舗を持つという意味での環境作りは、難しい面もあるけど、地元の人が本気で動かないと、いい環境にはなっていかないからこそ、そこがやっぱり、自分に言い聞かせている部分。

“横ノリ”のスタイルスポーツに打ち込むボーダーは自分と向き合う時間が長いし、それを大事にもしている。普段から自分のライディングに向き合って、磨いていくでしょ。自分も、何かを考えることは自分だけのことが多いけど、これは絶対やりたい、それにはあの人の力が必要だ!となれば、自分が責任をもって旗揚げして、その人たちの力を借りるし、ふとしたタイミングで化学反応の様に、人のつながりと活動が実を結ぶことがあるんだ。何か新しいことを考える時は、常にどこかで、誰かの顔を思い浮かべてはいるかもな。やるとなったら、あとは役割分担だから。

 

Q5. 震災から7年間が経ち、何か変化はありましたか?

ネガティブな事も、ポジティブに考える性格ではあるんだけど、奥深い自分の悩み、特に家族と離れた5年間がやっぱり、取り戻せないなあって思うね。今はもう一緒に暮らしているんだけど、あの時の悔しさは誰に言っても共感できるもんではないと思っているし、でも福島県内にはそんな人が5万人も6万人もいたんだし。

その悔しさが形になったのがこの「CHANNEL SUQUARE」でもあるわけ。それは、“人の集まるところにはエネルギーが集まる”って、良く話すラッシュのスタッフも言っていたけど、大人も子ども同じように集まって、同じフィールドでセッションができるってなかなかないよね。ここでは、子どもが遊んだあとは大人が夢中になって遊んでいるでしょ。同じセクションで、大人も子どもも分け隔てなく遊べる。その需要は絶対あると思うんだよね。それを広めるのに、エネルギーを注ぎたいね。その思いの強さは、その5年間で全然変わったね。横ノリスポーツは、今までずっと見た目で判断されて、やんちゃだとか、コワいとかいうイメージを持たれてきたのを見てきたけど、ここでは、今までボードスポーツに全く興味が無かった、たくさんの子どもたちが自分のライディングに夢中になって、集中している。そんな子どもたちを見ていると、親でも、たとえ他人の大人でも、“ほっこり”するよね。いろんな子や人がここに来るけど、何をするかより、誰がするかで本当に全て変わるんだよ。あくまで、一人のひとりの自己表現があって、それを競い合いながらも讃えあうカルチャーなんだ。

 

Q6. 逆境にはどうやって立ち向かいますか?

    いつでも大切なのは、逆境をプラスに変える力だと思うよ。さらに自分の場合は、共感する仲間たちのエネルギーだと思う。まず話をする。「自分はこう思ってるよ」って。それをやるためには、お金がこれだけ必要で、どういう風に実行するかを決める。いつもそんな風に、逆境においてもビジョンや信念を持っていれば、進む方向を見失わないはずなんだ。基本的に、ゴールを設定したという事は、自分にやりたい気持ちがあるということ。だから、やり遂げるかは自分との闘いなんだよね。常に自分に言い聞かせているのは、「自分に負けないこと」「逃げないこと」「やり通すこと」この3つだけ。それを徹底的にやる。

 

Q7. では、改めて今後のビジョンは?

色んな方たちに応援してもらって、繋がって、普段会えない人に出会って、仲間になって、こういう取り組みに繋がって、自分も体を動かすことが好きだから、その好きなスタイルスポーツの力で、地域社会と観光と子どもたちの未来を作る。結果、環境が全てだし、人が集まる魅力のあるもの、夢中になれるものがある場所がブランドになると思うから。経験や体験と地域環境繋がって、それを求めてたくさんの人が来て、それで生まれる経済効果が、子どもの未来になっていくわけなんだ。地域を盛り上げたり、子どもたちの未来にはお金が絶対必要。ここ福島には、おいしいものや温泉、魅力的な人々、そしてこのスタイルスポーツのカルチャーがある。たくさんの人がここへきて、スタイルスポーツで汗を流し、すかせたお腹をおいしい地場の食事で満たし、疲れを温泉で癒す。そうして生まれるお金が、子どもたちの未来を作る環境を整えることに使われる、そんな繋がりと循環を作っていく事が今後の目標だね。

 

「CHANNEL SQUARE」のストーリーはこちら

 

ラッシュ:平学さん(CHANNEL SQUARE)
ラッシュ:CHANNEL SQUARE
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