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FEATURED

Soapbox: 動物たちを実験室から解放しよう

言論の自由はとても大切な権利。「Soapbox」は、社外の専門家に依頼し、見識や解説について寄稿いただく場所。今回の執筆は、ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(HSI)でEU地区のコミュニケーション・ディレクターをしているウェンディ・ヒギンズ氏。化粧品規制法から動物実験をなくす活動についてお話を伺いました。

思い浮かべてください。あなたが大量の化学薬品を無理やり飲み込まされている姿を。時には、わけの分からない薬品を点眼されるかも知れません。その結果は、内臓出血による死?見えなくなった目?世界のあちこちで、約50万匹のウサギ、モルモット、マウスなどがシャンプーやマスカラといった化粧品のための動物実験で、このような目に遭っているのです。かぶれ検査をするための皮膚感作性試験では、1回の試験につき最大32匹のモルモットが皮膚に化学薬品を注射され、腫れや潰瘍ができないかテストされます。注射の痛みなど大したことないかも知れません。もっと残酷な結末が待っているのですから。彼らはテストの結果に関係なく、実験が終われば殺されてしまうのです。動物実験は化粧品業界の醜い秘密と言えます。

化粧品のための動物実験は、紛れもなく倫理に反した行為です。新しい化粧品をたった一つ開発するために、なぜ何百、何千もの動物が化学薬品実験の犠牲にならないといけないのでしょうか?
自己紹介が遅れました。私はヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(HSI)でEU地区のコミュニケーション・ディレクターをしているウェンディ・ヒギンズです。HSIは、世界中のあらゆる動物の福祉向上を目的とした国際的に活動する動物福祉団体で、動物実験反対の活動にも力を注いでいます。2012年4月から、HSIは「BeCruelty-Free(残虐からの解放)」キャンペーンを開始しました。これは、残虐な実験による動物の犠牲を終わりにしようというもの。HSIでは長年、動物実験廃止に向けてキャンペーンを展開してきましたが、この「Be Cruelty-Free」は化粧品に焦点を当てたキャンペーンで、EU圏を世界で初めての化粧品のための動物実験廃止ゾーンにしようという強い想いから生まれました。

市民からの圧倒的な支持と行政の協力を背景に、EU圏内にある研究施設では、化粧品のために動物実験を行うことは既に禁じられています。次なる目標は、EU以外の国で動物実験を使って新たに商品化された化粧品がEU圏内で販売されないよう働きかけること。そこで私たちはラッシュのショップに協力を求め、EU市民から50万近い署名を集めました。そして、約1年後の2013年3月、ついにその目標を達成。EUが動物実験廃止ゾーンになったのです!

しかし、喜んでばかりもいられません。というのも、化粧品のための動物実験はまだ世界中の約80%の国で合法だからです。今度は「Be Cruelty-Free」キャンペーンを全世界に広めなければ・・・。こうして、「Be Cruelty-Free」は化粧品のための動物実験廃止に関する世界最大のキャンペーンに発展していきました。現在12ヶ国でこのキャンペーンが展開され、成果が出ています。例えば、イスラエルではEU形式の動物実験と化粧品販売の禁止が法律化されました。また、インドでは国内での動物実験が禁止となったほか、ブラジルのサンパウロ州でも動物実験禁止が決まりました。同様にオーストラリア、ニュージーランド、ブラジル、台湾、日本、韓国、米国でも法改正に向けた動きが活発化しています。

では日本はどうでしょう?
昨年、資生堂はEUでの動物実験化粧品の販売禁止を受け、動物実験をほぼすべて打ち切ると発表しました。これは日本にとって大きな進展でした。なぜかと言うと、他の日本の化粧品会社に対して、動物実験は必要ないことをはっきりと示したからです。世界的にもインビトロ毒性試験(実験動物を使用しないで培養細胞や微生物を用いた毒性試験)市場は2018年までに1800万ドルの価値となると言われていて、このような最先端の動物実験代替法技術への投資が増えています。いずれ時代遅れな動物実験は廃れていくことでしょう。日本の科学者たちも開発に関わり始めています。筑波にある独立行政法人農業生物資源研究所は、ウサギへの点眼実験に取って替わる可能性を秘めた、人工のヒト角膜を開発しました。
「Be Cruelty-Free」キャンペーンでは世界中の科学者たちと協力し合い、このような先端技術の開発を推し進めています。

また、私たちは国際的セレブたちと一緒に一般市民への啓蒙活動も行っています。ポール・マッカートニーやイギリスの有名俳優リッキー・ジャーヴェイス、シンガポールの女優兼モデルのリブ・ロー、中国の女優の朱珠、ブラジルのスーパーモデルのフェルナンダ・タヴァレスなどが私たちのキャンペーンを支持し、「思いやりをもって買い物をするように」と訴えてくれています。
最近、大きな成果を得られた出来事といえば、中国で展開した化粧品のための動物実験廃止キャンペーン。HSIのロビー活動が功を奏し、中国の化粧品規制法が20年ぶりに見直されることになったのです。今も中国では法的に化粧品のための動物実験が義務付けられていますが、今年6月からは、中国国内で製造される化粧品については動物実験の義務が解除されました。これが、動物実験廃止への第一歩になってくれたらと期待しています。動物実験廃止という政策は、動物たちの福祉のためだけではなく、消費者の安全や現代科学の進歩にも繋がります。今、この先進的な政策を支持する国が増えていて、変化の波が世界中に押し寄せていることを実感しています。

化粧品規制法から動物実験をなくすことは、実用面においても、経済的、科学的側面から見ても、大きなメリットがあります。このメリットを世界に宣伝することが、「Be Cruelty-Free」キャンペーンの大きな柱です。今の時代、化粧品のための動物実験は非科学的なのです。ラッシュは動物実験なしで化粧品を製造するパイオニアですが、今では世界中の化粧品会社が、ラッシュに追随しています。これらの企業が、動物を一匹も傷つけることなく、高品質な化粧品を次々と世に送り出しているということは、つまり、動物実験をしなくても化粧品業界が成り立つということを証明しているのです。

実際の話、化粧品の製造過程から動物実験をなくすことは、商品の安全性向上にも役立っています。動物実験の多くは何十年も前から続く古い手法のまま。それを今も使い続けているため、人間にとって有効なデータをスピーディーかつ正確に入手することが難しいのです。動物実験を必要としない安全な原材料と、実験動物を使用しない先進的な試験技術を併用すれば、ラッシュのように、エシカルマインドを事業の中心に据えつつ、ビジネスでも成功することは可能なのです。

人間にとっても動物にとっても、より良い世界にしたい・・・。ラッシュのエシカルマインドと、HSIの志は同じです。さらに、ラッシュでは科学の発展にも力を入れています。これらの理由から、ラッシュに「Be Cruelty-Free」キャンペーンの協賛企業をお願いしようと考えたのは自然の流れでした。そして、私たちは光栄にも、2012年にラッシュが立ち上げた「ラッシュプライズ」の選考委員の一員に加えていただきました。この「ラッシュプライズ」は、動物実験代替法を追求する科学、トレーニング、ロビー活動、社会の認識向上、若い研究者などを支援することを目的としています。世界に彼らの活動や技術を広く知らしめ、また、資金提供するといった形で動物実験代替法に貢献しています。動物実験を廃止するために自分の知識と経験を役立てたいと、世界中の科学者たちからエントリーが集まっています。

やるべき事はまだまだ山積みです。今後の取り組みとしては、中国、日本、台湾で科学セミナーを行う計画を立てています。このセミナーでは、HSIが資金提供する動物実験代替法の実地トレーニングも予定されています。また、「Be Cruelty-Free」キャンペーンの目標を政治課題として検討してもらうため、政策責任者たちとの会合も行っていきます。最後に、インド独立の父、マハトマ・ガンジーの名言を一つご紹介しましょう。「国の偉大さ、道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る」。動物たちが化粧品のために苦しみ死んで行くことのない世界を実現したい・・・。HSIはこれからも世界の国々に訴えかけていきます。

「Be Cruelty-Free」キャンペーンの詳細はこちら

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