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2019年、「ダイエットする!」よりも優しい目標を見つけよう

無理な減量やダイエットを、新年の抱負にしてはいませんか?正月太りの解消もいいけれど、まったく新しい自分と出会うための素敵な目標づくりに、こんなアイデアはどうでしょうか。

 

 2019年1月14日は、20歳を祝う「成人の日」。この日は日本の若者たちにとって、決意を新たに今後の人生を考えるタイミングでもあります。

 また、新年を迎えた時に考えることといえば「今年の目標」。毎年「ダイエット!」「減量!」という目標を掲げて挫折…なんてことはないでしょうか。実はその目標が、自分自身を否定するようなものであるかもしれません。

 自分を受け入れ、前を向くためのキーワードは「ボディポジティブ」です。今回、Forbes JAPANでコミュニティプロデューサーをしている井土亜梨沙さんに寄稿していただきました。

***

 昔年始の集まりで、親戚のおじさんが軽く私に話しかけてきた。

 「ありちゃん、ちょっと顔が丸くなったんじゃない?」

 余計なお世話だ。あなたのお腹の方が膨れすぎて、今にも爆発しそう。空気を抜くのを助けてあげようか。

 ふつふつと湧いてくる怒りとそれに伴う言葉たちを必死で抑えた。下を向いてじっと堪えた。この人は私の体についてなんでこんなにズケズケと話してくるのだろう、と。

 私にスーパーモデルにでもなってほしいのだろうか。しかし、私自身も彼のお腹を見て、残念な気持ちになっていた。

 ちょっと考えればわかるはずだ。モデルは血と汗のにじむような努力をしてあの体型を維持している。それにもかかわらず、私とおじさんは平気でお互いの不完全さを指摘しあおうとしていた。

 「完璧」な体を求めてしまう気持ちはどこからくるのどうか。

 今ならわかる。「ボディポジティブ」という考え方に出会ったからだ。私は、この言葉や考え方を知ってから、少しあの頃の自分にもおじさんにも優しくなれる気がした。

 

「完璧」なカラダは何を基準にしているの?

 

 「完璧」なカラダを想像してみてほしい。どんなカラダを思い描くだろうか。女性だったら、背が高くて細くて、胸が大きくて、顔が小さくて…。男性だったら、筋肉がしっかりついて、背が高くて…。雑誌やテレビに出てくるモデルが想像しやすいかもしれない。

 しかし、ほとんどの人はその体型になることが難しい。それゆえに、「完璧」なカラダと自分を比較して落胆することも多いだろう。努力したら、近づくことはできるかもしれない。でも、自分の価値を否定してまでその体型に近づくことは果たして「いいこと」なのだろうか。

 

世界で巻き起こる「ボディポジティブ」ムーブメント

 

 そんな数ある体型への疑問から、「ボディポジティブ」ムーブメントは生まれた。メディアで登場する体型が同じようなものばかり、そして現実味がない体型が多いことから、もっといろんな体型の人を認めていこう!という考え方だ。多様なカラダを認めていくことで、一人一人が自分のカラダを最終的に否定しなくなるのではないかと信じられている。

 例えば、細いモデルばかりのファッション誌にプラスサイズモデル(ぽっちゃりモデル)が表紙を飾った。細いことだけが美しさじゃないと表現したいい例だ。

 歌手のリアーナは、自身がプロデュースするブランドのファッションショーで妊婦にランウェイモデルを依頼した。妊婦の体型だって美しいと伝えた。

 細いことや痩せていることへの礼賛が強いあまり栄養失調、摂食障害になるモデルもいる。そこでフランスでは、法律自体を変えた。痩せすぎのモデルを起用することを禁じたのだ。

 また、広告写真で加工をやめたブランドもある。おそらく多くの企業が簡単にカラダの「修正」を行なっていることだろう。しかし、そんなことをしなくても、美しいよね、と企業が過度な加工をやめ始めている。極端な体型のスーパーモデルではなく、一般の人を下着ブランドのモデルとして起用する例もある。

 少しずつだが、この「ボディポジティブ」ムーブメントはいろいろな形で広がりつつある。私たちが普段目にする体型がもっと多様であればあるほど、自分たちのカラダをよりポジティブにみることができるのではないか。自分自身をもっと肯定的にとらえよう。そんな愛のあるメッセージが世界各地で広がろうとしている。

 

日本の「ボディポジティブ」

 

 一方で日本はどうだろうか。日本は特に「やせ信仰」が強い国とも言われている。

 WHO(世界保健機構)の調査によれば、2015年日本はOECD加盟国の中で、一番低いBMI指数だった。BMIとは、体重kg/身長cmの二乗で計算され、肥満ややせ度合いを測る。数値が低ければ低いほど、やせているとされる。

 過度なダイエットなどによる「摂食障害」の患者数も年々増えていると指摘されている。やせたいというちょっとした願望が心も体も蝕み、死に至るケースもある。

 しかし世界のボディポジティブムーブメントに対して、日本の状況は絶望的かといえば、そこまで落胆することはないかもしれない。渡辺直美ローラを始めとする有名人がSNSを通して、低い体重ややせていることだけが美しさではないと訴えている。

 ぽっちゃりモデルの雑誌も創刊され、少しずつだが美しさの多様性を求める動きは出てきている。しかし、やせている=美しい、と信じ込んできた社会を簡単に動かすことは難しい。今も自分の体型について悩み、苦しみ続けている人はたくさんいる。

 

私にできること

 

 世界や日本の動きを垣間見たところで、本題に入りたい。ボディポジティブムーブメントの中で、「私」にできることはあるのだろうか。

 このムーブメントは個人の自己肯定感を増やすために有名人から一般人までたくさんの人が行動を起こした。「私」の変化は、そもそも「ボディポジティブ」のゴールなのだ。

 しかしいきなり、今日から自分の体をポジティブに捉えて愛しましょう!は、難しい。まずは「ボディポジティブ」という言葉を覚え、もし自分のカラダについて悩んでいるとしたら全世界に同じように悩んでいる人がいることを知ろう。そして、その悩みが一人でも消えるように立ち上がっている人の存在についても。

 私は、2018年8月にフィンランドに渡った。フィンランド外務省が主催する若手ジャーナリストプログラムに参加するためだ。取材中に、ボディポジティブを普及しようとする女性に出会った。「世界で一番幸せ」な国においても、体重や体型で悩んでいる人はいたのだ。

 2019年、「ダイエットしなきゃ」、「ダイエットしよう!」から「そもそもなんでやせたいんだっけ?」と問い直してみよう。もし自分を否定する気持ちが浮き上がったら、全く別の目標を立ててみるのもありだ。しなきゃ、よりもやりたい気持ちに向き合ってみよう。

 

みんなができること

 

 「ボディポジティブ」は、大きなムーブメントだ。一人だけの力ではどうにもならないこともある。

 親戚のちょっとした一言によって深く傷つくこともある。できるだけカラダに関するコメントは、どんなに仲良くてもしないようにしよう。やせていることにコンプレックスを持っている人は、「やせているね!」という言葉に傷つくことがある。

 そして、働いている人は広告で、体型だけでなく、多様な人が起用されているかに注目するのも面白い。なぜその人が必要なのか。いろんな人がいれば、もっと多くの人に共感されるのではないか。新しい視点を持って、商品やサービスをプレゼンすると、今までに届かなかった人たちにも伝えられるかもしれない。

 まだまだできることはありそうだ。ただ、大事なのは自分の価値を否定しないこと。ボディポジティブは、ダイエットややせている人を批判したいわけではない。より多くの人がどんなカラダであっても、自分自身をポジティブにとらえ、そうすることで他の人にももっと寛容になれたらというメッセージを発している。

 2019年、世界のやさしいムーブメントの一員に加わってみるのはどうだろうか。

 

井土亜梨沙

1990年生まれ。一橋大学卒業。前職ハフポスト日本版では、「Ladies Be Open」のプロジェクトを立ち上げ、女性のカラダにまつわる様々な情報を発信。1カ月間メイクしない生活を綴った「すっぴん日記」なども。現在は、Forbes JAPAN コミュニティプロデューサー。

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