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Meet the Designer: 炭酸デザイン室

9つのバスアイテムがセットになったギフト「アート オブ ベイシング」のボックスをデザインしたのは、「いつもの暮らしにシュワッとした刺激を」をテーマに活動する水野智章さんと井野若菜さんによるデザインユニット、炭酸デザイン室。オリジナルテキスタイルの制作や、様々なブランドとのコラボレーションなど、国内外で広く活躍しています。滋賀にある二人のアトリエにお邪魔して、シュワっとした刺激が生まれる秘話を伺いました。

 

炭酸デザイン室の活動:

水野:「いつもの暮らしにシュワッとした刺激を」というテーマで2014年に立ち上げた、夫婦二人でやっているブランドです。主に「TANSAN TEXTILE(タンサン・テキスタイル)」というオリジナルブランドと、コラボレーションでのテキスタイルとドローイングに関わる仕事を行っています。

井野:そのほかには、染織や絵を描いたり、フェルトの作品を作ったりということを二人で行っています。それぞれ作品を作って、そこで得たものからまた新たにアートワークを起こしたり。その表現方法はアートやデザインを行ったり来たりします。

 

染織の魅力:

水野:テキスタイルって、素材に色が染み込んでいく感覚が大事だと思っていて。色に対する奥行きというものはすごく繊細で、そこを引き出せる仕事をしないと意味がないと思って、慎重に作業をしています。布に限らず、セラミックとか紙とか、すべてに対して厚みや奥行きを常に考えて、作品を作っています。

 

ユニットとして夫婦二人で活動することの面白さと難しさ:

水野:二人の意見が合致して一つのものを作るって、あまり考えられないことだと思うんですが、普段からどれだけ一緒にいるかで、なんとなくわかってくるというか。いつも状況は違うし、常にできていることではないんですけれど。制作の途中から作業が相手に移ることもあって、不思議な感じの描き方を僕らはしているかもしれないですね。

井野:最初から二人同時に作ることもあるし、私が作っていたものを最終的に水野が発展させたり、仕上げたり。その逆もあります。だからいろんな制作のパターンがあるんですけれど、同じ経験を共有しているので、二人で話しながらドローイングもします。

水野:話しながらだと、確認作業がないので、そういった「阿吽の呼吸」の面白さはあるかも。

 

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炭酸デザイン室 テキスタイル

 

滋賀のアトリエで制作することで受けるインスピレーション:

井野:私たちが通っていた大学は東京にあって、そこで染めや織りといったテキスタイルのことを学んでいました。その頃から、身の回りにあるものからインスピレーションを得て作品に落とし込むことが多かったので、私自身は身近にあるものが重要だということを考えていました。やっぱり都会にいると建物を描くことが多かったんです。そういう作風も大切ですけれど、もっと自然な、身近にある植物とかを描きたいなと、やっぱり山とか川に囲まれた自然の中で創作活動をしたいなと思うようになりました。それでまずは東京から山梨県に移って、山と川に挟まれたようなところにアトリエを構えていました。それから今の滋賀県に移って、また山と川と田んぼに囲まれたところでインスピレーションをたくさん受けて、それが鮮やかな記憶となって、アートワークを描いている、という感じです。

水野:アトリエには大きな本棚がありますが、制作の際に見る本は、ジャンルでいうと、絵画とか。すごく鮮やかなものが多いですね。

井野:ほかには民族系・民芸品の本、装飾品の本、植物とかキノコが載っているものを、ペラペラめくって楽しんでます。

水野:本以外にも、資料にしているのは木の彫刻とか。いろんなアイディアを収集するようにはしているので、そういう刺激に囲まれながら、アトリエを楽しくしていこうって、常に意識してます。

井野:最近は川に行って、石とか水晶を拾ってきたりもしています。近くの山で水晶が取れるので、そこの河原で。あとは260万年前の地層がむき出しになってるところがあって、そこに埋まってる木を見に行ったりとか。

水野:本にはない面白さが「生のもの」にはありますね。

 

活動に影響を与えてきたもの:

水野:引きこもるのが苦手で、旅行とか散歩が好きなんです。旅先で目にした自然とか、日常の風景とか、そういった日々の経験からアイディアを得ています。その中にあるエッセンスや生活における輝きに、敏感でいたいと思っています。音楽や映像でいうと、最近よく観ているのはThe Beatlesの『Yellow Submarine』です。極彩色で刺激的でとんがってる映像がすごくいい。娘がいるんですけれど「淡い色」を教えるつもりもないので、こういった「楽しい色」を一緒に観て、そんな空間で過ごしたいなと思っています。

井野:その反動でモノトーンが好きになるかもしれない!

 

制作中にかける音楽:

水野:作業中はずっと何か流してますね。クラシックとか落語とかを聴いています。クラシックは聴き流せるというか、リラックスして作業ができます。落語は二人とも好きで。

井野:同じ演目を何回も何回もひたすら。夜中の作業中に聴くことが多いかな。

水野:落語は集中するためというか、自分たちを奮い立たせたいとき、頑張ってるときに聴くことが多いです。でも聴き入ってしまいますよね。

 

炭酸デザイン室が大切にしていること:

井野:「毎日を楽しくする」ということと、生活そのものが、炭酸デザイン室の作品であったりアートやデザインと結びついていくものである、ということが私たちの目標です。

水野:経験から受ける印象って、人によって違うと思うんです。普段と変わらない目線で見てるとそのまま受け取ると思うんですけれど、例えばすごく高揚して楽しいときって、その経験は鮮やかな印象で記憶に残る。そういった経験は、人に話したくなるし、色があったとしたらすごく鮮やかだと思うんです。そのときの「すごく楽しい!」っていう気分をそのまま作品に残したい、プロダクトに乗せたい。その想いは普段から大事にしてます。

 

これからの社会でアーティストが担う役割と責任:

水野:炭酸デザイン室の活動テーマは「いつもの暮らしにシュワッとした刺激を」。これはポリシーでもあるんですけれど、やっぱり生活って楽しくなきゃいけないと思うんです。生活でも、お仕事でも。僕はその土台作りが大事だと思っていて、普段の自分の生活の中にどれだけ色彩を組み込めるかとかどれだけ楽しくできるかは、身につけるもの、使うもの次第だと思うんです。それがちょっと背伸びしたものだったりすると、もしかしたらそのおかげでふと気持ちが高揚してきたり、一歩先に踏み出すきっかけになるかもしれない。
そういう役割というか、ちょっとしたことからでも、使うものを鮮やかに、刺激のあるものを作っていきたいと思っています。

 

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炭酸デザイン室

 

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