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FEATURED

断ち切らせない、私たちの権利

インターネットを使えば、私たちはいつでもどこでも必要な情報に好きなだけアクセスすることができます。また、インターネットがあれば、教育的資料、ソーシャルネットワーク、さらには自分の意見やアイディアを発信できる場所にアクセスすることもできます。このようなデジタルネットワークは世界の大部分に拡がっています。私たちは、世界中に張り巡らされた情報網を利用して、何の障壁もなく情報を得られ、どんなことに対しても回答を探すことができると当然のように考えています。たとえ、自分では答えを知らなかった質問に対してさえも。現代では、インターネットは日常生活に欠かせないものとなった一方で、私たちの自由に制限をかけるきっかけにもなっています。

世界には、政府がインターネット・サービス・プロバイダーに対して、「アクセス権」に制限を設けるよう指示している国々があり、特にソーシャルメディアには厳しい制限がかかることがあります。これはまるで、政府が国民を統制し、政府にとって都合の悪い情報を国民がシェア、発信、収集することを制限しようと企てているかのように見受けられます。さらに懸念すべきなのは、このようなインターネットへのアクセス制限が選挙中にも起きているという事です。 

オンライン権利団体Access Nowは、2015年1月から2016年9月の間、世界33ヶ国でインターネット遮断があったと記録しています。その中にはトルコやザンビア、ベトナムも含まれています。

2016年2月に行われたウガンダの大統領選挙では、投票日当日にソーシャルメディアへのアクセス遮断が起きました。電気通信会社「MTNウガンダ」はツイッターで「ウガンダ通信委員会(UCC)より、社会的秩序と安全への脅威に備えて、すべてのソーシャルメディア、電子マネーサービスへのアクセスを遮断するよう指示を受けました」と通知。その後、ムセベニ大統領は、ユーザーが「嘘を言わないようにするため」ソーシャルメディアをブロックしたと記者団に伝えています。民主主義を反映した大統領選挙当日にソーシャルメディアを制限することは、言論の自由を制限することに等しく、ウガンダで起きたこの遮断は問題視されました。これに対し多くの市民は対抗策としてバーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)を利用し、ソーシャルメディアへのアクセスを試みました。するとすぐさまウガンダ国内で#UgandaDecides(ウガンダ国民の我々が選びたい)というハッシュタグタグ付きの投稿が拡散しました。

2015年11月以降、ブラジルではメッセージアプリ「WhatsApp(ワッツアップ)」へのアクセス遮断が3度起きています。ブラジル国民にとって、同アプリはプライベートだけでなく、仕事においても使用される主要なコミュニケーションツールです。多くの企業や、教師、医師でさえも国内で顧客との連絡を取る手段として使用しています。そんな環境下で12~48時間もサービスの一時停止が実施され、その結果100万人以上のユーザーに影響を与えました。ブラジルのラッシュに勤めるレティシア・サンチェス氏は、「WhatsAppは、友人とのコミュニケーションだけでなく、仕事においても無くてはならない慣れ親しんだアプリです。そのため、ソーシャルネットワークを利用したコミュニケーションがほとんどできなくなります。明白な理由もなく統制され、監視されているようなイヤな気分になったことは言うまでもありません」と述べています。

当初、サービスの一時停止は何の説明も無く実施されました。その数時間後に裁判所より声明が発表されています。その発表によれば、この遮断はWhatsAppを利用してユーザーデータを犯罪組織に譲渡するという違反行為に対して、ブラジル連邦警察がとった予防措置だったということでした。これに対し、サンチェス氏は「裁判所が、Facebook社(WhatsAppの買収元)に捜査中の犯罪者個人情報や会話履歴にアクセスするように仕向けていたんです。ですがWhatsAppはその操作に対して協力の意向を示さないし、そもそもアプリ上の会話履歴はすべて暗号化されているため、受け渡しもできないのです」と説明しています。

本来、1つのメッセージサービスを停止するだけでは大きな影響にはならないかもしれません。しかし、WhatsAppはブラジルで主要なコミュニケーションツールのため、サンチェス氏は「今回のサービス停止には非常に怒りを感じ、ショックも受けました。私にとってデジタルコミュニケーションツールはどんなものでも、人と人がつながることができたり、自由を得るために不可欠なのです」と述べます。

インターネットへのアクセス制限は、言論の自由や意見や情報交換に影響を与えるだけでなく、経済にも影響を及ぼします。また、非常時の救命措置にも支障がでるでしょう。救急サービスで救命に必要な情報にアクセスできず、家族との連絡も取れなくなるでしょう。報道機関も情報を得られなくなります。

2016年7月、ジンバブエで行われた全国的なストライキ「シャットダウン・ジンバブエ2016」がソーシャルメディアを介して大規模に広がりました。ロバート・ムガベ政権の政治的腐敗、困窮した経済状況に対する非暴力の抗議活動として、このストライキ活動が行われている間、国民は職場へ出勤せず、家に留まり続けました。
ジンバブエ郵便電気通信規制庁(POTRAZ)はソーシャルメディアの不正利用に関する警告を発表。その内容は「犯罪行為に値する不正行為や反乱行動を啓発、伝達、共有する者はインターネットへのアクセスを遮断し、法的措置を受けることとする」というものでした。これはまさに、言論統制に値するものであり、抗議活動を抑えようとする明らかな脅迫です。

2016年7月、国連人権理事会は、各国政府がインターネットへのアクセスを意図的に遮断する行為を非難する決議案を可決し、誰しもがインターネット上でも、現実社会と同等の権利を有し、表現の自由、メディアの選択肢があるという姿勢を示しました。これは国民が表現の自由を勝ち取り、国連がこの問題を深刻に受け止めているという事を表しています。しかし、この決議案には、法的な効力がありません。このような状況に、各国の指導者たちはこの決議案に注目するでしょうか。 

オンライン権利団体Access Nowの上級グローバル・アドボカシー・マネージャーであるデジ・ブライス・オルコタン氏は「国連とは、各国の声を受け取る世界の最重要機関であり、人々が従うべき世界の規範を決定します。そして国際社会が合意したこと世界中の人々に伝えます。今回の決議案は国際協定のように法的拘束力があるわけではありませんが、世界中の指導者たちに事の重大さを意識させることができる」と述べています。

国連自体もその他の人権問題を警告する際にインターネットを利用するため、インターネットへのアクセス遮断を深刻に捉えているのです。

また、オルコタン氏は「世界中の人々は、インターネットの遮断が自分たちの生活にどれほどの影響を及ぼすのかに気づき始めています。私たちがその現状を訴えていくことで、政府がインターネット遮断を行い、混乱を招くこともなくなっていくことでしょう。」とも述べています。

世界が黙り込んでしまった時こそ、声を上げることが私たちにできる最善の行為です。自分の周囲で起きていればもちろんのこと、たとえ地球の裏側で起きていたとしても、世界の指導者たちに声を上げ、伝えるのです。インターネットの遮断はいかなる場所でも、私たちは受け入れないということを。

World map of internet shutdowns
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