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FEATURED

自然の都合に合わせたものづくり

豪雪地の群馬県みなかみ町に工房を構え、地元の木や土壁を使った自然素材で30年以上家づくりを続ける「工房 澄み処」。神奈川県にあるラッシュの製造拠点キッチンで、ある棚を作るため、澄み処の皆さんがキッチンにやってきました。

 ラッシュと澄み処の出逢いは2017年の年末。絶滅危惧種のイヌワシが暮らすみなかみの豊かな森を守るため、森から切り出された木を加工する過程で出る木くずを使って、ギフトペーパー「イヌワシペーパー」を開発しました。この木くずを提供してくれているのが、みなかみ発祥のカスタネットづくりをする工房と、自然を生かした伝統的な木組みの家づくりを行う澄み処です。

 イヌワシペーパーを使ったギフトコレクション発売後、「キッチンで働くみんなにもブランドストーリーを身近に感じて欲しい」というキッチンで働く一人のシェフが、イヌワシペーパーが生まれるみなかみの木材を使った棚をキッチンに置くことを提案しました。この話を、澄み処で設計・デザインを行う山口長士郎さんに相談したところ、金属を使わず、木と木を組み合わせる棚を考案してくれ、工房の裏からとって来たスギと、地元奥利根のヒバの木を使った棚をデザインしてくれました。

 実は、奥利根ヒバは癖が強く扱いづらい木として、長い間嫌われ者だったと言います。そのため「昔から家づくりにはほとんど使われず、線路の枕木など工業用に使われくらいだった」と長士郎さんの父親で澄み処の代表、山口修嗣さんは話します。

 「ヒバはみなかみの奥利根にある谷川岳の尾根沿いに立っているんだよね。尾根沿いの猛烈な風や豪雪、厳しい環境に耐え続けるために、自然に木がよじれて育って、いびつな木になる。厳しい環境で育つから、成長も本当にゆっくりで、1年に1ミリくらいしか大きくならない。木材として使える太さ、直径30cmくらいになるまでに200年、300年かかるんだ」。

成長にこれだけ時間がかかる奥利根ヒバの森は今では保護林に指定されている、伐採されることはなく、「もう山からでない、今うちにあるだけ」と修嗣さんは言います。扱いづらく、決して効率も良くないヒバを1990年代から集めて家具や家づくりをする澄み処では、ヒバをゆっくり寝かせ、木の暴れを見て、製材しながらヒバを使います。つまり、人に合わせて木を使うのではなく、木を見ながらデザインを考えるということです。

 「こっちの都合じゃなくて、木の都合に合わせれば、使えるんだよね」。

 釘を使わず木と木を組み合わせる棚づくりは、玄翁(げんのう)で木を叩く音を響かせながら、キッチンで働くスタッフと一緒に行われました。現場で組み立てる作業を行ったのは理由があったと話すのは修嗣さんの奥さん、由美子さん。

 「普段はあまりこういうものは作らないんだけど(笑)。今日は、皆さんに木を身近に感じてもらい、完成するまでの過程も見てもらいたかったんですね。普段見ることができない部分、組んでしまったら見えなくなってしまう部分にも手をかけようっていうのが、ラッシュの皆さんが手作りで商品を作ることと共通しているじゃないですか。」

 完成した棚を見ながら、「嫁をもらった気分」と話すのは、この棚づくりを提案したシェフEtsushi。ハンドメイドを大切にするもの同志のつながりを強く感じたと言います。

 「家づくりと化粧品づくりは一見重なる部分が無さそうですが、サプライヤーさんが大切に育ててくれた新鮮な原材料を使って商品を作る僕たちと、澄み処さんのものづくりに対しての想いは一緒だと思いました。使ってくれる人のことを考え、自然と向き合ってものづくりをしている。今日の棚づくりは、普段玄翁で木を叩く音なんて聞くことのない僕らのことを考えてくれ、一緒に作らせてもらいました。澄み処の皆さん、木のことを語ったらキリがないくらい想いが込もっていましたね。この棚、大事にします。」

 人間の思い通りにはいかない自然との付き合い方。どのような素材を使って、どんな気持ちでものづくりをするのか。この棚が、澄み処とラッシュが大切にしている手作りでものづくりをする難しさであり、魅力なのでしょう。「棚が喜ぶと思います」と話す澄み処の皆さんは、出来上がったこの棚に「Eagle's Nest (イヌワシのすみか)」と名前をつけてくれました。

 

Eagle's Nestのデザインストーリーはこちらから

ラッシュ 自然の都合に合わせたものづくり イヌワシのすみか
ラッシュ 自然の都合に合わせたものづくり イヌワシのすみか
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