FEATURED

LGBT当事者とアライの二人が先頭に立つ「レインボーパレードくまもと」

障害がある人、高齢者、外国で生まれ育った人、セクシュアル・マイノリティなど、色んな人が、それぞれが色んな思いを抱えながら生きているこの社会。熊本にも虹色のように、グラデーション豊かな色んな人がいることを知り、多様性を認め合える場所になることを願って、2018年4月1日、2回目となるレインボーパレードが熊本で開催されました。Lush Lifeチームがイベントに参加し、パレードの主催者であるレインボープライドくまもと共同代表で斎藤忠明さんと高月優さんに7つの質問。

Q1. セクシュアル・マイノリティの権利と多様性の尊重を求めるパレードとして、ニューヨークで始まったムーブメント。日本の各地でも開催されます。今年で2回目となる「レインボーパレードくまもと2018」について教えてください。

斎藤: 2016年11月に熊本で初めてのパレードを開催しました。「レインボー」という名前がついていて、LGBTに特化したパレードというイメージがあると思いますが、代表である僕ら二人はこのパレードをきっかけに多様性を認め合える社会を作りたいと思い、熊本でパレードを主催しています。「本当の自分」の人生を歩めない人が、地元・熊本にもいるはず。そんな人たちにも堂々と胸を張って大通りを歩ける機会として、今年で2回目となる「くまもとレインボーパレード」を企画しました。今日のパレードでは、とにかく色んな人が一緒に楽しめればと思いました。

 

Q2. 初めてレインボーパレードを開催した、2016年当時の状況について聞かせてください。

高月:アライ(*1)である僕は最初、フォトグラファーとして関わっていたんです。「明日よければ手伝いに行っても良いですか?」という気軽な感じで参加しました。記録係のボランティアとして関わりたいと思ったのは、LGBTについて聞いたことはあるけど、周囲にはいないし、どんな人たちなんだろうという興味からでした。

*1 セクシュアル・マイノリティをサポートする非当事者

斎藤さん:僕は、市内のコンビニエンスストアで店長をしているゲイ(同性愛者)です。推薦されて「レインボーパレードくまもと」の代表になりました。実は最初、パレードというものに対して懐疑的でした。様々なパレードに参加してきましたが、根本的にに何か変わったかと言われると、変化を感じることはできなかったからです。ただ2016年に熊本のパレードをやってみて聞こえてきたのは、当事者の方の「楽しかった」「前向きな自分でいられた」「またやって欲しい」という声でした。僕は、一番大事なことは当事者の気持ちが変わることだと思っているので、パレードがその自信を取り戻すひとつのきっかけになるとしたら、とても意味のあることなんじゃないかと思いました。

 

Q3. レインボーパレードを始める以前と比べて、感じた変化はありますか?
斎藤:もともとは熊本地震の復興をお手伝いするために集まったことがきっかけで芽生えた絆が、最初のパレードの発端となっています。私にとっても周囲にとっても、地震は辛い出来事でしたが、レインボーパレードという前を向いて歩くことを通して、多様性溢れる皆がつながって生まれるポジティブな環境、場所を作ることができたと感じています。

 

Q4. 変化のきっかけになったことなどはありましたか?

斎藤:高月くんが入ったことは大きかったよね。

高月:俺がアライ目線で感じるのは、自信を持って笑顔でパレードを歩いている人を見ると、それだけで偏見や差別を無くす力があるということ。多様な価値観を受け入れるのは「慣れ」の部分もあると思うんです。だから、続けなきゃいけない。前の代表が抜けて、続けられるか分からないとなった時に、一回で終わったら意味がないと感じ、代表を引き受けました。

斎藤:様々な「普通」を受け入れることが、「普通」になってきたかなと。それは周りだけでなく僕も同じで、僕らマイノリティだけで集まると、視野が狭くなってしまう。高月くんが入ってくれたことで、新たな視点が加わったと思います。また、今回、パレード実施のために必要な資金をクラウドファンディングで集めることで、パレード開催に正当性が出たと感じています。

 

Q5. 活動を行う上で、インスピレーションを受けている人やモノはありますか?

斎藤:ミスターチルドレンの「足音」っていう曲が好きなんです。一歩一歩の足音が自信につながっていく、という歌詞なんですけど、とてもパレード向きな曲で。自分で聴いて、モチベーションにしています。

 

Q6. 社会問題に関するイベントに興味はあるけれど、何から始めて良いか分からないという人にアドバイスをお願いします。

高月さん:少しでも気になるなら、とりあえずその場に足を運んでみることだと思います。

斎藤:僕は、まずは普通に働くこと、人を好きになること、話すこと、自分らしく生きることだと思います。「仕事」を真面目に頑張ると、周りにも影響を与えられるようになるし、自信がついてくる。そうするとロールモデルにもなれるし、仕事以外の何か自分が気にかけるテーマや問題について、活動をする余裕も出てくると思います。

高月:仕事もそうだけど、何でもいいから「得意なこと」突き詰めることでもいいと思うんです。それは掃除でも料理でも、何でもいい。そうすると自信はついてくるし、他の部分はチャーミングに見えてくる。

斎藤:活動だけを目的にしないのも大事だと思います。終わったら日常にきちんと帰る。感じたことを持って帰る。そしてまた余裕ができたらやる、というのが継続する上で重要だと感じています。

 

Q7. お二人が描く理想の未来とは?

高月:人って、一人として同じ人はいないんだから、互いの違いを受け入れることが当たり前になるような、何も考えなくていい状態が理想だと思います。パレードなんてわざわざやらなくてもいいような(笑)。

斎藤:誰もが自分の生き方を楽しいと言えるような、のびのびと生きれるような、そんな社会になって欲しいと思います。

レインボーパレードくまもと2018の公式ウェブサイトはこちら

---
LGBTとは、レズビアン(同性を好きになる女性)、ゲイ(同性を好きになる男性)、バイセクシャル(異性を好きになることも同性を好きになることもある人)、トランスジェンダー(出生時に割り当てられた性別とは一致しないアイデンティティを自認する人)の頭文字をとった言葉で、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の総称の一つ。日本労働組合総連合会が2016年、日本全国の20歳~59歳の1,000名にインターネットで実施した「LGBTに関する職場の意識調査」によると、自身がLGBT当事者であるという回答は8%を占めた。

2018/4

くまもとレインボーパレード2018
コメント (0)
0 件のコメント