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カエル育む米づくり(前編)

サシバが暮らす山口県の田んぼで、カエルを育むお米をつくる「山口かえる米倶楽部」田原義寛さんのLush Life。

田原さんはいつから「カエルを育む」活動をしているんですか?

 実家ある山口を出て、愛媛大学に進学し、生態系管理学を勉強していました。大学3年の頃、研究室に入り指導教官に「誰もやってないから、お前はカエル!」って言われたのがすべての始まり。それから僕はカエル担当になりました。

カエル担当??

 皆さん、カエルのキャラクターは好きですよね。ど根性ガエルとか、けろけろけろっぴとか。でも実物をちゃんと見たことはありますか?僕は自分で「カエル研究家」って名乗ることはほぼないです。完全に研究対象としてかえるをとらえると、殺伐としたことも多くて。学生の頃は研究のために、たくさんカエルを殺してしまったこともあります。だけど今は、たくさんのカエルを田んぼで育てています。ここでは、お米というか、カエルを育んでいるんですけど(笑)、かれこれ20年以上やってます。12年ほど山口県の国定公園である秋吉台のエコ・ミュージアムで学芸員をやっていたのですが、カエル以外に子どももできると忙しくなって、教員をしている妻も益々仕事が忙しくなって、僕が仕事を辞めて「山口かえる米倶楽部」を始めました。

 

「山口かえる米倶楽部」は何をする倶楽部なんですか?

 “カエルづくり”をしています。ちょっと説明しますと、わが家は代々米づくりをしてきました。祖父まで専業農家、父は兼業農家でした。まわりは里山で、いろいろな生き物が暮らす、とても自然豊かな環境だったんです。ところが、小学生の頃から、河川の護岸や、道路の拡張、田んぼの区画整備が急速に増え、自然環境が激変しました。農業の在り方が変わったのもこの時期です。稲も、害虫がつかないように農薬をたくさんまいていました。農薬をまくときは「農薬が危険だから近づかないように」って、赤い旗が立ってました。人の生活がどんどん豊かになって行く中で、他の生き物も、人間と同じ命をやどす仲間として、大切にする気持ちが抜け落ちていたんじゃないかなぁ。「人間のためだったら、他の生き物が犠牲になることは構わない」なんて。その頃から里山の生き物を守りたいと思うようになりました。その後の「お前はカエル!」です(笑)。

 

カエルってどんな生き物なんですか?

 カエルって生態系の「かなめ」なんです。カエルは鳥やヘビ、アナグマやタヌキなど、多くの生き物に食べられて死んでしまいます。でも、それによって他の生き物は生かされる。育まれる。他の生き物のために自分を犠牲にしている。それがカエルの担ってる大切な役割なんです。「ケロケロ」鳴きますけど、泣き言を言っているわけじゃない。素直に自分の運命に従ってる。どういうことかというと、かえるは鳥やヘビ、アナグマやタヌキなど、多くの生き物に食べられて死んでしまいます。でも、それによって他の生き物は生かされる。育まれる。他の生き物のために自分を犠牲にしている。それがカエルの役割なんです。僕は他者のために自分の命をとてもじゃないかけど、差し出せないから、その代わりできる限りカエルを育んであげたい。人間、なかなか他者のために自分を犠牲にするって難しいじゃないですか。誰かのためって言いながら、自分のためにやってるってことってありますよね。だからカエルの存在って「あぁ、本当にすごいなぁ!」って思うんです。そして、カエルを育むことで、他の生き物もたくさん育んでいけたらいいですよね。

 自然界にいる生き物はほとんど若くして命を落とす運命なんです。だけどそれを受け入れている。ヘビはカエルをたくさん食べるので、昔はヘビのことが嫌でした。でも今は、道路でヘビがひかれているのを見ると「ああ、もったいない!」と思います。スイミーを思い出すんです。スイミーは他の大きな魚に食べられちゃ困るから、大きな集団を装って泳いでますけど、僕の場合、ヘビがたくさんのカエルの命をやどた塊に見えるんです。ヘビ一匹が交通事故にあうと、それまでたくさん食べたカエルの命まで、一緒に消えるような気がして、残念でなりません。だから、車を運転するときも、極力、ヘビは轢かないよう、注意して運転します。たぶん、他のドライバーからしたら、かなり、怪しい運転をしていると思われているじゃないかな。

 でも、ヘビって、なんであんなに長いんでしょうね?もう少し短ければ、轢かれる確率も下がると思うんですけど...。

 最近、地域の子どもたちと一緒に2ヶ月間、通学路である1.3kmの区間でカエルの交通事故死亡数を数えてみたんです。そうしたら、1,465匹も死んでたんです!ニホンアマガエルさんが一番多く死んでいた。オタマジャクシから、カエルになったばかりの子ガエルも多く死んでました。平成29年に全国で交通事故で亡くなった歩行者は1300人ちょっと。カエルの死亡事故の方がはるかに多いいんです。こんなに交通死亡事故で死んでるなんて、誰も知らないですよね!ちなみに、雨の日は死亡率が高くて、雨の日は晴れた日より大人のカエルの死亡率が9.6倍上がります。子ガエルだったら230倍!子ガエルは完全に雨を狙って移動してます。

 カエルの世界は、小学校もありませんので、人間の小学生のように交通安全指導はありません。だからカエルが車道に出てこないような仕組み、通り道を作ってあげるようなことをしないとダメですよね。カエルのための回廊、コリドーを作らんといけないと思ってます。

 生き物の世界では子どもを産んで役目を終えて、自然に一生を終えます。お役目を尽くして自然に死んでいくのが自然の流れなんです。カエルも他の生き物を食べて生きていますけど、それ以前に、ほとんどが若い頃に食べられて亡くなっちゃうんですよね。卵の時代にもアカハライモリに食べられちゃったり。卵が3,000個くらいあったとしたら、最後に成人して、親になれるのは、2匹〜4匹の世界なんですよね。我々が暮らすこの世界は、些細なことで対立していることが多々ありますが、里山の生き物の世界を垣間見ると、我々は、生きてるだけで素晴らしいじゃないか!って心の底から本当に思うんです。

小学生が考案した「お助けシュロの糸」

 

具体的にどうやってカエルを育んでるんですか?

 わが家の田んぼには、毎年7種類のカエルが卵を産みに来るんです。春に一番最初にここに来るのがヤマアカガエル。まだ田植えにはかなり早い季節なんですけど、僕はカエルを育みたいので、田んぼに水を入れて待ってます。「冬水田んぼ」って言って、カエルたちがすぐに卵を埋めるよう、準備するんですね。カエルは水の中に出産する生き物なので、僕がお産婆さんになって、カエルたちが安全安心に出産できるよう、また、生まれた赤ちゃんがすくすくと育っていけるよう、出産環境を整えるんです。その後、ニホンアカガエル、シュレーゲルアオガエル、トノサマガエル、ヌマガエル、ツチガエルがが次々順番に卵を産みに来ます。カエルたちが、僕の田んぼで安全安心にたくさん出産してくれると、とても嬉しいです。

 あ!トノサマガエルが鳴いてますね。このカエルは今、環境省の絶滅危惧種に指定されてしまいました。トノサマガエルは名前の通り、お殿様のように立派なカエルです。オタマジャクシの時期が他のカエルたちより長くて、60日間ほど水の中で過ごします。最近の稲作は、水がある期間がとても短くて、60日ずっと水がある田んぼって、ほとんどないんですね。そうすると、トノサマガエルがせっかく卵を産んでも、田んぼの水が途中でなくなって、オタマジャクシがぜーんぶ、死んでしまいます。僕はトノサマガエルのオタマジャクのために水がある時間を長くしています。オタマジャクシが陸に上がれるまで見守ってます。

「カエル育む米づくり(後編)」はこちら

田原さんの田んぼで作られた作物の一部は、フレッシュなうちにキッチンに届けられ様々な商品へと生まれ変わります。

米:フレッシュフェイスマスク『ドント ルック アット ミー』洗顔料『ハーバリズム

※「サシバプロジェクト」として田原さんの田んぼで作られた米を収穫した後のワラを活用し、バレンタイン商品のギフトボックス「サシバボックス」を作っています。収穫状況・時期により変更される場合があります。

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ラッシュ LUSH 渡り鳥 サシバ 日本自然保護協会 里山 カエル 絶滅危惧種 生物多様性 有機農業 無農薬
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