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FEATURED

渡り鳥プロジェクト - サシバを追え!

消失していく日本の里山と生物多様性の再生を目指して、渡り鳥・サシバを追って日本各地の里山を訪れながら、原材料を探すプロジェクトが始まりました。

普通に買っていては持続可能な購買活動はもうできない

 地球上に存在する社会的、環境的課題が深刻化している中で、持続可能な原材料の調達は難しくなっていると語るラッシュのバイヤーは、“サステナビリティ(持続可能性)”から進化した”リジェネレイティブ(再生可能)”という考えを元に、原材料や資材の調達を始めました。これは、ラッシュが商品に使う原材料を購買することで地域社会や自然環境を再生し、元来そこにあった豊かさを取り戻すことを目指した購買活動です。そこで、生物多様性を再生するための指標の一つとしてラッシュが注目しているのが渡り鳥。人間が決めた国境にとらわれずに世界中を飛び渡ることから、ブランドの信念に「Freedom of Movement(移動の自由)」を掲げる私たちにとっても象徴的存在といえる渡り鳥を追いかけ、その先々で再生可能な原材料を探す購買活動「渡り鳥プロジェクト」が始まりました。

「渡り鳥から学ぶ - 地球は境界なき一つのコミュニティ」

 自然界には、海、森、里山それぞれに生態系があり、食物連鎖のピラミッドが存在しています。その中で、猛禽類と呼ばれる肉食の鳥は、山や里山の生態系の頂点にいる生き物です。2017年に豊かな森のシンボルであり、絶滅が危惧されるイヌワシを追い始めたバイヤーの元に、このプロジェクトのパートナーである公益財団法人日本自然保護協会から連絡があったのは、2018年の夏。それは、深い森や山に生息するイヌワシだけでなく、比較的人里近くに生息している渡り鳥・サシバの数も減少しているという話でした。サシバは、豊かな里山の象徴として里山の生態系ピラミッドの頂点に君臨する猛禽類でありながら、現在では環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。この背景には日本各地の里山が疲弊していることに一因があると聞いたバイヤーは何かできることはないかと、サシバを追って全国各地の里山へ向かいました。

絶滅危惧種に指定された豊かな里山のシンボル

 「ピックィー」という鳥の鳴き声を聞いたことがある人は、日本にどのくらいいるでしょうか。この鳴き声の持ち主は、猛禽類の一種でタカ科に属するサシバという渡り鳥です。全長50cmほどでタカの中でも比較的小柄なサシバは、春になると越冬地の東南アジアから日本に渡来し、繁殖・子育てをします。秋になると日本各地の繁殖地から、沖縄の宮古島等を経由して、また東南アジアへ渡っていきます。谷津や谷戸と呼ばれる谷状の地形をした水田や畑には大好物のカエルやヘビの両生爬虫類、バッタやセミの昆虫類が多く生息しています。そのため、このような里山環境はサシバにとって、餌となる食べ物に加え、止まり場や巣を作れる木が近くにあるため、絶好の繁殖地なのです。つまり、サシバが繁殖できる場所は豊かな生態系が育まれているということができることから、サシバは豊かな里山のシンボルと呼ばれています。

 タカの渡りを観察するホークウォッチャーの中でも人気のあるサシバが絶滅危惧種に指定されたのは2006年。渡りルートの主要な中継地である宮古島で何十年もサシバの飛来数を観測している宮古野鳥の会によると、秋の渡りで宮古島に飛来するサシバの数は1980年代には5万羽以上いましたが、2000年代に入ると1万羽程度にまで減少しています。その減少の一因として背景にあるのが、日本の里山の環境変化です。

 日本の里山は長い間、米づくりが行われ、人による手入れがあったことで、多種多様な生き物が育まれ、人間にとっても生き物にとっても心地よく豊かな暮らしが存在していました。ところが今日では、農業従事者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地の増加などの理由で、全国の里山から人は撤退を始め、田んぼには草が生い茂り、カエルなどの生き物が暮らしていた水場は減っていきました。米づくりは大規模化が進み、農場の拡大とコンクリートによる農場整備も進んでいきました。その結果、現在絶滅危惧種に指定されている日本に暮らす生き物約3,500種のうち、その半数が里山環境を住処とする生き物となってしまいました。これだけ里山で多種多様な生き物が姿を消していけば、サシバにとっての餌場、かつ羽を休める心地よい場所もこの先消えていってしまうかもしれません。

 日本に暮らす多くの人たちは昔から、木を切り、草を刈り、米をつくって、茅葺屋根を張り替える、まるで百もの仕事をする「百姓」でしたが、現代社会では農家は米をつくる人、消費者は米を食べる人、と役割分担が進み、渡り鳥や生き物の世界には存在しない境界線を自らつくってきてしまいました。

消失する里山を再生しながらサシバを守る

 サシバの渡りルートを追いながら、サシバの繁殖地や中継地で里山再生のモデルケースとなるような生物多様性のある田んぼを訪れはじめたバイヤーは、その周辺地域でたくさんの自然の恵みを目にしました。北は繁殖地の北限とされている岩手から、日本有数のサシバの繁殖地として知られる栃木県市貝町、ラッシュの製造拠点からほど近い神奈川県の三浦半島、生産者と市民が連携してサシバ保全に取り組む愛知県豊田市、日本最大のカルスト台地がある山口県の秋吉台、そして2016年の地震で棚田が崩れてしまった熊本県の山都町など、各地で出会った方々から里山の自然の恵みを分けてもらい、いくつかの商品の原材料として使用することが実現しました。

 バイヤーは「こうした原材料の購買、そしてラッシュのフレッシュな商品を通して、多くの皆さんに日本の里山環境、里山が必要な生き物たちやサシバについて興味関心を持ってもらえたら嬉しい」と語ります。

 

<サシバが立ち寄る田んぼ・里山からの恵みを使った商品>

米:フレッシュフェイスマスク『ドント ルック アット ミー』 洗顔料『ハーバリズム
ニンニク:フレッシュフェイスマスク『乙女の戦士
国産米を使った琉球泡盛:『ヴィーナス誕生』 (2020年11月上旬より順次切り替え予定)

※収穫状況・時期により変更される場合があります。また、米を収穫した後のワラを活用し、ギフト商品のボックス「サシバボックス」を作っています。

 

<サシバプロジェクト パートナー>

公益財団法人日本自然保護協会
自然保護と生物多様性の保全を目的に、1951年に創立された日本で最も歴史のある自然保護NGOのひとつ。ダム計画が進められていた尾瀬の自然保護を皮切りに、屋久島や小笠原、白神山地などでも活動を続け、世界自然遺産登録への礎を築き、今でも日本全国で壊れそうな自然を守るための様々な活動を続けています。「自然のちからで、明日をひらく。」という活動メッセージを掲げ、人と自然がともに生き、赤ちゃんからお年寄りまでが美しく豊かな自然に囲まれ、笑顔で生活できる社会を目指して活動しています。山から海まで、日本全国で自然を調べ、守り、その恵みを活かす活動を続けています。
日本自然保護協会のサシバ保護活動 

<岩手県盛岡市>
岩手大学農学部保全生物学研究室
東 淳樹さん

<岩手県奥州市>
里山生活学校
河内山 耕さん(米、米ぬか、ワラ)

<岩手県花巻市>
里山耕暮 素風
佐々木 哲哉さん(米、米ぬか、ワラ)

<栃木県市貝町>
NPO法人 オオタカ保護基金 代表 遠藤 孝一さん
サシバの里自然学校 校長 遠藤隼さん 
(米、米ぬか、ニンニク)

<神奈川県横須賀市>
NPO法人三浦半島生物多様性保全 理事長
天白 牧夫さん(米、ワラ)
インタビュー記事「人も生物もやわらかくなる三浦の谷戸田再生」

<愛知県豊田市>
豊田市自然観察の森(指定管理者:日本野鳥の会)
小野田 繁春さん(ワラ)
とよた自然わくわくクラブ(ワラ)
名城大学農学部生物環境科学科(ワラ)
香恋の田んぼ米の会
倉地雅博さん(ワラ)

<山口県美祢市>
山口かえる米倶楽部
田原 義寛さん(米、米ぬか、ワラ)
インタビュー記事「カエル育む米づくり(前編)」
インタビュー記事「カエル育む米づくり(後編)」

<熊本県上益城郡山都町>
下田茶園・通潤丹精
下田 美鈴さん(米、米ぬか、緑茶、生姜)
インタビュー記事「熊本県山都町で“日常茶飯事”をつなぐ営み」

このサシバプロジェクトの原材料購買資金の一部は、日本自然保護協会を通してのサシバとその生息地を守る活動に役立てられます。

「鳥を見て生物多様性を考える」特設ページはこちら

「サシバボックス」が登場したギフト商品一覧はこちら

 

Photo credit: 宮古野鳥の会 仲地邦博

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